尾上祐一提供サウンドマガジン
世紀末の音宇宙
こちらは、昨99年の夏に米本さんの企画で行われた、電子音楽愛好家によるはんだ付け
パーティーでの実況録音。江戸川花火大会にあわせて日程を設定し、その通行人
目掛けて路上電子音ゲリラライブをブチかますというものです。今回尾上は、当時出来たて
だったリボンコントローラーを持参。ゲリラライブではありますが、この楽器を持っての
演奏デビューでもありました。リボンコントローラ考案者の金澤氏(彼もリボンをプレイ)
と米本&フレンズによる混沌とした電子音の洪水のなか、尾上は、後半カオスチックであり
ながらモードを感じさせるソロを披露してます。パーティーにの音響システムは良くも悪くも、
超ローファイなもので、録音されたMDを聴くと、通りすがりの人々の声や車の音、花火の音
等等がハイファイで採られてるのと対照的です。(ただリアルオーディオではその辺が同化して
しまうのが残念)
なお98年のはんだ付けパーティの様子は、
こちらに収録されてますので
どうぞ。
奈良公園のシカとジャムる
こちらは、今年に入って奈良〜大阪旅行をしたときにリボンコントローラを持参し、
奈良公園でそのパフォーマンスをしたものです。公園には、お馴染みシカ君達が
一杯居るのですが、ベンチに座って弾いていたところ、一匹寄ってきてリボンの
音に反応してギーギー鳴き出したんです。周りのシカ達で鳴いてるのなんて一匹も
居なかったのでこれには驚きでした。このシカ君、発信音に共鳴したんでしょうね。
ただ、紙製の手提げとかバリバリ食われちゃったのが困りもんでしたが....。
また後半は、奈良案内に同行していただいたシマダさんに、タイ製のおもちゃの笙
を吹いてもらってます。シマダさんどうもありがとう。
ギターとサンプリングエフェクト
米本さんとは、こういう落書き的?ジャムをほんと良く一緒にやるんですが、これも
そんななかで面白かった一つ。僕がコルグで開発担当したエフェクターにAX1Gという
ギター用のものがあり、これ、なかなかユニークなエフェクトが詰まってるんですよ。
例えば、ギターを弾くとインドのタンブーラみたいな神秘的な持続音を出すDORONEという
エフェクトや、サンプリングして順方向逆方向再生を自由自在にやったり、ループ
再生でループポイントを自由に可変させることによりエイフェックスツインみたいな
効果を出したり、更にはサンプリングしたのをスクラッチするエフェクトが有ったりと。
こういったエフェクトは、どうしても際物扱いで影に隠れがちですが、他には出来ない
ものばかりで、使い手のアイデア次第ではとても面白い音楽が出来ます。サンプリング
エフェクトのアイデアはカオスパッドに受け継がれ昇華されたのですが、その基となった
AX1Gは隠れたデジタルロック・ギターエフェクターと言えましょう。
ここでは、ギターを弾きつつサンプリングし、変態再生する尾上のプレイが聴けます。